「大人になったし、久しぶりにピアノを弾いてみようかな」
そう思って楽譜本を買ってきたものの、黒いおたまじゃくしがぎっしり並んだページを開いた瞬間、ため息が出てしまった……という経験はありませんか?
「楽譜通りに完璧に弾かなきゃ」 「間違えたら最初からやり直さなきゃ」
実は、大人がピアノ再開で挫折してしまう最大の原因は、技術不足ではなく「子供の頃と同じやり方で楽譜に向かい合ってしまうこと」にあります。
今日は、私が子供時代の苦い思い出と、大人になってからのピアノ再開で気づいた「大人が挫折しない、心地よいピアノの弾き方」についてお話しします。
■ 子供の頃の「減点方式」の恐怖がトラウマになっていませんか?
思い返すと、私が小学生の頃にピアノが嫌になってしまった一番の理由は、発表会前の練習でした。
楽譜を丸暗記させられ、苦手なフレーズでつっかえると「はい、もう1回最初から!」「間違えないで!」と何度も繰り返し弾き直させられる……。 間違えるたびに「またダメだった」と自分を責めてしまい、鍵盤の前に座るのが苦痛で仕方がありませんでした。
子供の脳は、意味や構造を理解するよりも「指の運動と丸暗記」で楽譜通り弾けてしまう面があります。そのため、どうしても「間違えたら失敗」という減点方式の練習になりがちでした。
けれど、様々な生活や仕事を経験してきた大人の脳は違います。 「なぜこの音をつなぐのか」「どんな構造になっているのか」という理由や全体像を理解して楽しみたい脳になっているのです。
それなのに、大人が子供の頃と同じように「音符を1つも間違えずに視覚で追いかける」というスパルタな弾き方をしようとすると、脳にものすごいストレスがかかり、嫌になってしまうのは当然のことなのです。

■ 指が届かないなら、音を減らしていい。難しければ「自分流」に変えていい
私が大人になってから大好きな曲を再び弾き始めたとき、子供の頃とは全く違うアプローチをするようになりました。
基本の楽譜はチラッと見ますが、
- 手が小さくて届かない和音があれば、潔く音を1つ外す。
- 左手の伴奏が細かくて難しければ、自分流にシンプルな和音(コード)へ優しく書き換えてしまう。
そう、「楽譜通りに弾くこと」を諦めたのです。
元々知っている大好きな曲だからこそ、「自分が弾いていて心地よい形」に少しアレンジしてあげる。 これだけで、何ヶ月も苦しんでいた曲が、その日のうちに一曲とおして楽しく弾けるようになります。
1曲を止まらずに、全体の流れを感じながら最後まで弾ききれたときの満足感は、何物にも代えがたい「癒やし」になります。
■ 楽譜は「設計図」。音楽は「感情の解放」
真面目な大人ほど、「おたまじゃくしを正確に刻まなきゃ」と完璧を目指してしまいます。 ですが、私たちが大人になってピアノを叩く本当の目的は、テストで満点を取ることではありませんよね。
日々の中で溜まった疲れや感情を、鍵盤の音にのせて解き放ち、心がふっと軽くなる時間を過ごすことのはずです。
指が1本ズレたっていい。テンポが少し揺れたっていい。 沖縄・やんばるの海に寄せては返す波の音に決まったテンポがないように、大人のピアノもあなた自身の心地よいリズムで奏でれば、それで100点満点なのです。
■ コード(骨組み)を知れば、ピアノはもっと自由になる
楽譜を一音一音追いかけるのをやめて、曲の骨組みである「コード(和音)」を少し知るだけで、大人のピアノ演奏は一気に自由になります。
左手でシンプルなコードをポンと鳴らし、右手でメロディを口ずさむ。 それだけで「あ、私、いま音楽を奏でている!」という深い喜びが込み上げてきます。
もし今、「楽譜が難しくて挫折しそう」「練習が苦しい」と感じているなら、一度その楽譜のルールをゆるめてみませんか?
完璧を目指すのではなく、あなた自身が癒やされるための「自分流ピアノ」。
今日から一緒に、もっと気楽に楽しんでいきましょう!
チャンプルーひさよ(^^)/


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